禅が教えてくれる美しい人をつくる「所作」の基本<枡野俊明>を読みました。とても良い内容で、気持ちが引き締まる思いになりました。感想や良かった部分を抜粋してお伝えしていきますので、参考になさって下さい。
美しい人をつくる所作の基本
内容
禅は「行住坐臥」すべてが修行です。立っても座っても、寝ていても歩いていても。すなわち人間の立ち居振る舞いそのものがすべて修行ということです。言い方を変えれば、禅の修行とは私たちの「所作のすべてを整えること」なのです。
所作が整えば心も綺麗になるし、身のこなしも綺麗になる。そういう人は他人の目に「美しい人」として映るようになります。何よりも、本人が清々しく生きることができ、心も強くなるのです。
禅が教えてくれる美しい人をつくる「所作」の基本 (幻冬舎文庫) [ 枡野俊明 ] 価格:550円 |
良かった部分の抜粋
●立ち居振る舞いは心を映し出すもの、心をあらわすもの。所作を整えることは心を整えること、所作を磨くことは心を磨くことです。心に比べると、所作は整えたり、磨いたりすることが比較的やさしい。
●簡素さは美しさの原点であり、そして終着点でもある。動きの無駄を省いていくと、一つひとつの動きが丁寧に丁寧になっていくのです。
●姿勢は見た目の印象を大きく左右します。頭のてっぺんから尾てい骨まで一直線になるようにイメージしてください。姿勢が整うと呼吸も整うのです。
●美しい姿勢のもうひとつのポイントは目線です。立っている時は約182センチ、座ってる時は91センチ前に目線を落とすと、いわゆる半眼の状態になります。目を開いていると否応なくたくさんの視覚情報が入ってきます。それに影響されて気持ちも落ち着かなくなるのです。半眼は情報をカットできますから、気持ちがとても落ち着きます。
●腹式呼吸ができる姿勢なら整ったいい姿勢といえます。
●呼吸のポイントはまず吐ききること。吐ききったあとは体にまかせておけばいい。まずは1分間に7~8回を目安にゆっくり深く。深い呼吸によって体が温まってきます。
●居住まいを正しても、足元がだらしなく乱れていたり、落ち着きなく動いていたりしたら台無し。足元はつま先をつけてそろえる。それが相手に気持ちを伝えることにもなります。
●手も足元と同じように。一定の位置に置いて動かさないのが原則です。
●お茶を飲むときは、ただお茶をのむことになりきればいい。ご飯を食べる時は食べることになりきればいい。ただそのことだけに一所懸命になる。見栄がどうとか、どうすれば綺麗とか、そんな余計なことに囚われず、ひたすら今自分がしている事に打ち込む。「ひとつになる」ということのそういうこと。それが整った所作です。
●気づきは、美しい人に近づく貴重なきっかけになります。人の振り(所作)が雰囲気のあるものだったり、素敵だったり、美しかったりしたら、それを自分の振りにしていく。まずは10日間やりましょう。そして、もう10日間、そうしているうちに100日が過ぎて、もうすっかりそれはあなたのものになっています。
●美しい言葉はそれそのものが、美しくなるための大きな武器です。禅は「愛語」で語り掛けよと説いています。母が幼子に向ける言葉、いいたいことを思いついたまま語るのではなく、その言葉を開いてがどう受け取るのかということに、まず思いをめぐらせる、いったん相手の立場になってみる。
●箸や器を大切にする。たったこれだけのことを心がければ、美しい所作で食事ができる。
●たくさんの人の働きで、ということを私たちは忘れがちです。稲の種もみを作る人、田植えをする人、販売する人というふうに、そこにかかわる数えきれないほどの人たちのおかげが重なって、はじめて米を食べることができるのです。それを思っただけで、食事の所作はおそろかにできません。心がこもったものになるはずです。
●朝の時間はテレビをオフにしましょう。そして食事も着替えも、準備も朝やるべきことのすべてを丁寧に、心をこめてやってください。テレビを消して一連の行動をしてみると、格段に時間が短縮されることに気づくはずです。
●朝、一日一回、腹から声を出すことは、その日の体調、体のコンディションを知ることになり、いい一日を送るうえで欠かせない要素です。
●どんなことに対してもけじめをつける。玄関を境界線にして、仕事のことはいっさい考えないし、家族にも話さない。眠る3時間前を境界線にして、そこでその日を終わらせてしまう。眠る前は、本を読んだり、音楽を聴いたり、それぞれのやりかたで「あぁ、いいなあ」と感じられる時間を15分でも30分でも持つ。そして、できるだけ同じ時間に眠ることで、いい状態で朝を迎え、リズムを刻んでいけば、自然に心も体も整った一日が過ごせます。
●不安に実態などない。不安は自分の心が買ってに作り出しているものにすぎない。どんなに重くのしかかっているように思えても、心をちょっと変えたら消えてなくなってしまう。それが心配事、不安の正体。
●身だしなみの美しさの土台になるのは清潔感。
●今、自分が置かれている場所、状況の中でやるべきことを、自分自身で一所懸命やる。それが生きていること。
●あいさつは自分から大きな声でする
●どんな立場の人にも敬意をもって話す。
●それまで見ようとしなかった相手のいいところを見つけ、それまで受け入れがたいと思っていた相手を受け入れる。
感想
どれも当たり前の事なのですが、これらが全てできる方は少ないですね。仕事や学校等で世間に流されますから。社会というのは余裕をなくされるもの。余裕がないと、これらに目をむけることもできません。できることを一つでもやってみたいと思います。
一つひとつを丁寧に、ゆっくりと。相手に思いやりを持って。
禅が教えてくれる美しい人をつくる「所作」の基本 (幻冬舎文庫) [ 枡野俊明 ] 価格:550円 |
最後までお読みいただき、ありがとうございました。